アーティスト対談vol.6 arvin homa aya×STUDIO APARTMENT 阿部登

アーティスト対談vol.6 arvin homa aya×STUDIO APARTMENT 阿部登

3年振りとなるオリジナルアルバム『Up Close』をリリースしたarvin homa aya。今作では、阿部登(STUDIO APARTMENT)・福富幸宏・unknown・JiNなど、豪華プロデューサー陣も参加し、非常にバラエティに富んだ作品となっている。今回は、その中から前作のミニアルバム『No.5』で全曲プロデュースも行っているSTUDIO APARTMENT阿部登氏との対談を実施。「今までで一番わがままになれたアルバム」と語る彼女の本心やお互いのプライベートまで、非常に和やかな雰囲気の中、多岐にわたり語り合って頂いた。

  • 対談写真
  • 対談写真

まずはお二人の出会いを教えて頂けますか?

arvin homa aya(以下、aya) 7,8年くらい前ですかね?
阿部登(以下、阿部) BOOさんの時かな・・・?
aya STUDIO APARTMENTのアルバムに、BOOさんが参加された時に、英詞と、英語の歌唱指導を手伝わせて頂いて。その時に初めてキャップさん(阿部)と会ったんだよね。

初めて会う前から、お互いの存在は知っていましたか?

阿部 もちろん、知っていました。当時、ayaちゃんはJAZZTRONIKでも歌っていましたし。お会いできて感激しましたね。(笑)

お互いの第一印象もお伺いしていいですか?

aya おっとりしてる。(笑)
一同 (笑)

それは今でも変わらないですか?

aya 変わらないですね!お酒のbefore / afterで変わるかもしれないですけど・・・(笑)
阿部 ayaちゃんは最初会った時、見た目は外人さんなのに日本語を上手に喋っているなと。そして、いつでも"パワー全開!"な感じでしたね。

"シンガー"としてのayaさんを阿部さんはどのように見ていましたか?

aya なんか恥ずかしくなってくるね・・・。(笑)
阿部 でも本当に"Soulful"で、"Jazzy"な部分もあって。当時のクラブでは最先端を歌っているな、という印象が強かったですね。
aya ありがとうございます。(笑)

一緒にお仕事をされるのはいつが初めてとなるんですか?

aya キャップさんと初めてお会いしたBOOさんの時ですね。
阿部 その後に、ayaちゃんのアルバムに"STUDIO APARTMENT"で1曲プロデュースさせてもらったりしたよね。
aya さらにその後のスタアパ(STUDIO APARTMENT)のアルバムで、コーラスアレンジとして参加させてもらったり。でも、"仕事"としてはそんなに頻繁にはやってないかな。

なるほど。プライベートではいかがですか?

aya 一緒にご飯食べに行ったりしますよ。

そういう時は、どのようなお話をされるんですか?

aya 次はどんな作品を作りたいとか、お互いやりたいこととかは話していますね。
阿部 飼っている犬の話とかもね。(笑)

今回のアルバム『Up Close』に、阿部さんの参加が決定したのはいつごろになりますか?

aya 私の中では、前回のミニアルバム『no.5』でキャップさんと全曲共同制作させて頂いた時から、次の作品も絶対一緒に、と決めていました。その時から、なんとなく本人には伝えていたんですけどね。(笑)

今作は3年振りのフルアルバムですが、ayaさんにとってこの3年間はどのような期間でしたか?

aya "ソロアーティスト"としての自分を見つける期間でしたね。今までは"フィーチャリングヴォーカリスト"としての期間が長かったし、周りにそう見られている部分もあったと思うんです。でも、ソロとなった時に、自分で何を出していくか、出していきたいかを、いろいろな方と仕事をしながら見つけていましたね。

具体的に、どのような部分で「自分を見つけている」と感じていましたか?

aya 私の声って、特徴的だと思うんです。その声を使って、どのような楽曲が自分に合うのか、そのためにはどのように制作を進めていくのか、など、自分を客観的に見ることが出来るようになった部分が3年前とは違うと思いますね。

阿部さんは、そんなayaさんの"声の魅力"はどこにあると思いますか?

阿部 ayaちゃんの出す音域って、他の方と少し違うんですよね。歌も抜けてくるし。今回は、前と比べると"大人"な歌い方になっていて驚きましたよ。
aya 少し"大人"になったよね。(笑)

ayaさんとの楽曲制作の際に、気を付けている点などはありますか?

阿部 気を付けている点はほぼないですね。というのも、自分の持っているイメージと、ayaちゃんの持っているイメージが常に近くにあるので、制作に関してはいつもスムーズに進みますよ。

今回のアルバムに関してお二人でディスカッションはされたんですか?

aya 今回は、お互い制作で忙しくて、メールと電話とデータの受け渡しが基本でした。でも、さっきキャップさんが言っていたように、お互いのイメージがとても近いので、それで十分でしたね。
  • 対談写真
  • 対談写真

今回はどのようなビジョンに沿って制作されましたか?

aya 今回は「自分に期待されるであろうこと」を良い意味で全て無視したアルバムになりました。初めてわがままになれたアルバムかな。

その「自分に期待されるであろうこと」というのは、具体的にどのようなことだとご自身で分析されていますか?

aya 私はこのような声質なので、キレイなトラックに高音を活かすような楽曲とか。私の特徴の一つに、"ウィスパーなコーラスワーク"があるんですけど、今回は1,2曲くらいしか入ってないんです。でも、それは"わざと"しているのではなくて、気付いたら入ってなかったんですよね。たぶん、今までの流れを一旦無視して、一から制作を考え直した結果だと思います。

収録曲もバラエティに富んでいますよね。阿部さんの担当された4曲も、全て違う色を持っていますし。

aya そうなんですよね。でも、そこがキャップさんのすごい所だと思うんです。同じ人が作ったとは思えない楽曲を、自然に並べることが出来てしまうんですからね。もちろん1つの色を持つことも大事だとは思うんですけど、キャップさんの場合は、色が違う楽曲でも全部"キャップさん"なんですよね。他の人にはなかなかない魅力ですね。
阿部 ありがとうございます。(笑)

2曲目の「PARTY!」に関して、阿部さんはどのようなコンセプトで制作されましたか?

阿部 この曲は、ayaちゃんのイメージがある程度あって、そこに自分のアイデアを加えるといった流れだったので、すぐに完成しましたね。
aya いや、そんなことはないでしょ(笑)。

阿部さんのアイデアというのは具体的にどの部分になりますか?

阿部 「PARTY!」に関しては、ニューヨークのクラブで曲中によくかかる、船の警笛のような低音があるんですけど、それをサビに入れたくて。ブラスの音で似ている低音を探して、クラブ感を少しプラスしました。

他の楽曲に関してはいかがですか?

阿部 「Take It To The Top」は、最初R&Bだったんです。でも、ayaちゃんがライブで歌っている所を想像して、別バージョンに変えました。そうしたらayaちゃんも「こっちの方がいい!」って言ってくれて。
aya 最初はUsherぽいR&Bだったんですけど、今のアレンジの方が全然好きでしたね。(笑)

今回のアルバムで、一番苦労した楽曲はどの曲になりますか?

aya 「interlude」のアカペラですね。アカペラって、元々ある楽曲のアカペラ・バージョンがあっても、アカペラの為に作るアカペラの曲って、なかなかなくて。悩みに悩んで、実はレコーディング前日の夜に完成したんです。

なるほど。今回は阿部さん以外にも、福富幸宏さん・unknownさん・JiNさんなども参加されていますが、その方達とはどのように制作進行されましたか?

aya 福富さん・unknownさんは、キャップさんと同じでデータのやり取りでした。JiNさんは、私が書いた曲を持って家にお伺いさせてもらって。音色も一緒に決めたりしましたね。JiNさんが今回の中では一番インタラクティブに制作しました。

全て出来上がってアルバムを聴いた時、阿部さんはどんな印象でしたか?

阿部 良かったですね。1曲目から物語性を感じさせてくれるし、バラエティに富んでいるんだけど、トータルでみるとayaちゃんのアルバムだな、という印象でした。
aya ありがとうございます!(笑)

阿部さんは、今回のR&BやRockなテイストなど、STUDIO APARTMENT以外のジャンルに関してのルーツはどこにあるんですか?

阿部 もともとバンドをやっていたというのもあると思うんですが、曲を作ることに関して言えば、ジャンルにこだわりはないんですよね。パンクやロカビリー、スカも好きでしたし。
aya だから、いろいろな曲が作れるんだと思います。キャップさんはクラブミュージックのアーティストではあるけれども、"ミュージシャン"としてのマインドも強いから。吸収力がすごくて、例えばキャップさんの知らないジャンルの曲を投げた時に、それが"キャップさん流"になって2倍にも3倍にもなって返ってくるんです。本当にアウトプットの仕方がうまいんですよ。もちろん、STUDIO APARTMENTの時はSTUDIO APARTMENTとして、森田さんと考えながらやっていると思いますけど、たぶんソロの時はソロとして、考え方はボーダーレスなんじゃないかな。だから、本当に一緒に制作するのが楽しいんです。
阿部 "アウトプット"ってカッコいいね。(笑)
aya アウトプットがボーダーレスね。(笑)
一同 (笑)

ここ最近聴いているアーティストはどんなアーティストがいますか?

aya 最近疲れている時に、よく4 Hero聴いていますね。(笑)4 Heroって元気なんですけど、サウンドは全部柔らかいんですよ。疲れている今日この頃の私にとっては、心地良いですね。(笑)元気な時は、P!nkとかも聴きますよ!
阿部 僕はあまりオフの時は音楽聴かないかな。制作に入っている時は特にそうかもしれないね。
aya あーそれ分かるかも!制作に入っている時に、音楽を聴いていると、その曲の分析に走ってしまうんだよね。「ここの箇所はどうやって作っているんだろう」とか。
阿部 そうそう。だから、最近はオフでは映画をみてるね。
  • 対談写真
  • 対談写真

他に何かリフレッシュするためにしていることはありますか?

阿部 映画以外だと、犬との散歩かな。この前は4時間くらい一緒に歩きましたよ。(笑)
aya えーそれはすごい!でも犬も大変だよね・・。(笑)

ayaさんはいかがですか?

aya 料理作ったりしますね。あとは携帯を遠くに置いておいて(笑)、お風呂入りながら本をひたすら読んだりしてます。自分を完全に隔離しますね。

今回アルバムでも、そのようなリラックスできる時間は作っていましたか?

aya いや、無理でしたね。(笑)
阿部 ayaちゃんは、全部自分でプロデュースしているもんね。
aya そうなんです。もう最初の予算内訳を決める段階からやってますね。
阿部 でも日本人で、そこまでやれる人はいないと思うよ。
aya いや、まだまだ勉強だらけですね。でも、今回は今までの中で一番楽しかったです。音楽以外のプロセス的な部分が自分でもルーティン化してきたので、やっと制作を楽しめるようになってきて。もちろん辛かったこともあったんですけど、トータル的には一番楽しかったです。

その辛かった部分は具体的にはどのような?

aya 人間関係のストレスはゼロなんですけど、やはり音楽制作以外のことを同時に吸収していかないといけないんですよね。"制作者としてのアウトプット"と、"大人な部分のインプット"を両方全開にしないといけないんです。そのバランスが一番難しかったです。正直、最後の方は、何がどうなっているのか混乱していましたね。私、常に全力投球で走ってしまうので、うまい"抜きどころ"がまだ分かってないんですよ。でも、参加して頂いた方達には、やはり「楽しかった」と言ってもらえるような環境を作りたいですし、その為の準備だと思うとやはり全力になってしまいますよね。

なるほど。ちなみに今回のアルバムは、アーティスト・制作者両方の視点からトータルすると何点ですか?

aya うーん。ヴォーカリストとしては「60点」かな。やっぱり毎回そうなんですけど、「100点」のものはなかなか出来ないんですよね。「私上手いなー!」みたいな。(笑)もっともっと良い歌を目指す気持ちでの点数です。制作者としては、「80点」くらいです。冷静さと、先々を見越せる力がまだ足りないと実感しましたけどね。

阿部さんは今後、ayaさんにチャレンジして欲しいことなどありますか?

阿部 アコースティックはいいなと思っていますね。ayaちゃんのアコースティックアルバムは一度聴いてみたいですよ。
aya 誰か予算ください!(笑)
一同 (笑)
aya キャップさんにはこれからもずっとお願いすると思うから、覚悟しておいてね。(笑)

次回作のビジョンは見えていますか?

aya "arvin homa aya"として、もっとわがままに進んでいきたいと思っていますね。より激しかったり、よりディープだったり。"ヴォーカリスト"としてではなく、"クリエイタ―"としてのアルバムを作っていきたいと考えています。今作のタイトル曲でもある「Up Close」のように、歌よりもピアノの方がメインみたいな曲が多くなってくるんじゃないかな。

阿部さんも、STUDIO APARTMENTで制作に入っているとお聞きしましたが、現状はいかがですか?

阿部 今までは外人の方と中心に制作してきたんですけど、今回は全てJ-POPのアーティストと日本語で制作しているんです。今までのSTUDIO APARTMENTとはちょっと違った感じになっているので、楽しみにしていてください!

プロフィール

arvin homa aya
arvin homa aya
カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。
1998年にスタジオ・ワークを中心に音楽の仕事を始める。2002年からJazztronikを始め、須永辰緒やReggae Disco Rockersなどの作品でfeat. vocalistとして参加し、活動の幅を広げる。

2005年8月にJazztronikプロデュースのもと、初のオリジナルアルバム「Butterflies」をリリースし彼女名義でのライブ活動を開始。
2006年10月には初のセルフプロデュースアルバム「Amazing」をリリース。
トラックプロデュースにKyoto Jazz Massive、福富幸宏、須永辰緒、Studio Apartmentらを迎え話題となる。

2007年、DAISHI DANCE、FreeTEMPO、GTS、Kentaro Takizawa等、多くのハウスアーティストにボーカル起用されると同時に各地でのクラブ・イベントに数多く出演をする。

2008年9月、過去のfeat.作品をコンパイルした「My mUSic tRee」をリリース。
そして同年12月にはメジャー第一弾となるアルバム「VOICE」をリリースし、iTunesダンス・シングル・チャートでは1位と2位のダブル・フィニッシュを果たす。
アルバム・チャートでも2位となり、初のリリース・ツアーを行う。

2010年には、先行シングル「What Moves You」とiTunesダンス・チャートで1位を獲得した「Follow Your Dream -DAISHI DANCE Remix.-」の2曲をiTunesで限定配信した後、5月にStudio Apartmentの阿部登氏とのco-produceによるminiアルバム「no.5」をリリースする。
同月から、ハウスでの女性ボーカリストとしては初となる20箇所近くの単独ツアーを行い注目を集める。

そして、2011年11月16日には、福富幸宏、阿部登、JiN、そしてunknownをプロデュース陣に、リミキサーにはSUGIURUMNを迎えた3年ぶりのフル・アルバム「Up Close」をリリース!

ツアーも開始され、アルバムと共にアパレル・ブランド「BLONDY」とのコラボ・ツアーTシャツも話題となる。
阿部登
阿部登
コンポーザー、アレンジャー、キーボードプレイヤーとして幾多のアーティストと音楽活動を展開。
2000年に、DJとして活動している森田昌典とSTUDIO APARTMENTを結成し、これまでに4枚のオリジナルアルバムを発表。
STUDIO APARTMENTとしてDefected (UK)、King Street (US)、hedkandi (UK)、Nervous Records (US)等のシーンを代表する海外の レーベルからリリースされ、世界のダンスミュージックシーンで活躍。国内ではCrystal Kay、Misia、伊藤由奈、Def Tech、RIP SLYME、土屋アンナ、鈴木あみ、キマグレン等、多数のメジャーアーティストのプロデュース及びリミックスを担当。
auのCMにもなったキマグレンの"Life(STUDIO APARTMENT Remix)"は、リミックスながら200万ダウンロード超えという偉業を達成。
2006年に、STUDIO APARTMENTとしてダンスミュージックレーベル「Apt.」「Apt. Internatio nal」を設立。
DAISHI DANCE、PAX JAPONICA GROOVE、Hideo Kobayashiといった日本人アーティストの他、 Timmy Regisford、Dennis Ferrer、Kerri Chandler、Tiger Stripes等の海外アーティスト達の作品もリリースしている。

すべてのコメント ()

データがありません
2012年05月25日 06時02
2012年05月25日 06時02
arvin homa ayaライブ
The PLANET Opening Party Vol.40
The PLANET COUNT DOWN PARTY
日程:2011年12月31日(土)
会場:The PLANET (http://www.the-planet.jp/)
OPEN:22:00
「Up Close」Release Tour
12/31 @新潟 The PLANET
1/7 @福岡 GOLD
1/14 @岡山 RHYME
1/21 @熊本 NAVARO
1/28 @富山 MINORITY
リンク
arvin homa ayaオフィシャルサイト
arvin homa ayamusicpoolアーティストページ
STUDIO APARTMENTオフィシャルサイト
STUDIO APARTMENT musicpoolアーティストページ
musicpool特集アーティスト