現BEEF、過去にはTHUMBのベース/ヴォーカルとしてAIR JAMにも出演し人気を博した岡田洋介が新たなバンド、BLACK BUCKを始動させる。しかもギターには同じく元THUMBの羽沢進、ドラムにBASSUIの渡部新と鉄壁の布陣を迎えての結成というのだから、往年のメロコア・ヘッズには垂涎のニュースだろう。今回musicpoolでは岡田氏と、BLACK BUCKの所属レーベルであるI HATE SMOKE RECORDS代表の大澤啓己氏の対談を企画。自らもバンドとして活動、THUMB活動期にはライブハウスにも足を運んでいたという大澤氏にBLACK BUCKの魅力を十二分に引き出していただいた。(文/高橋圭太)
このような形でお二人でお話しをするのは初めてですか?
| 岡田 |
いや、この前焼肉屋で話したよね。
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| 大澤 |
そうですね(笑)。
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それは今作のリリースに向けてのお話しですか?
| 岡田 |
世間話ですね。
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| 大澤 |
最近の洋楽事情とかですかね……(笑)
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じゃあもう勝手知ったる仲というか。
| 岡田 |
いや、全然知らない(笑)。だって仲良くなったのもまだ最近だもんね。
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| 大澤 |
初めてお会いしたのはトロゴリ(TROPICAL GORILLA)のスタジオライブの時ですよね。
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| 岡田 |
そうそう。八王子にライブしに行った時に、大澤くんが何故かトロゴリのボーカルとして歌っていたんだよね。
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| 大澤 |
あの時は、ボーカルの"ヘルプ"として歌っていたんです。"ボーカルのヘルプ"って聞いたことないですけどね(笑)。
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| 岡田 |
でも、それがすごくカッコよくて良いな、って思ってたんだけど、既に時遅しで・・・大澤くん泥酔してたんだよね。だからその時はほとんど喋ってないかな。
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| 大澤 |
確かに・・・。そうだったような・・・。
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| 岡田 |
それでその後に、I HATE SMOKE RECORDSに所属してるSORRY FOR A FROGというバンドのイベントに誘ってもらって、そこで初めてちゃんと大澤くんと喋った感じだよね。それが去年の10月くらいかな。
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| 大澤 |
そうですね。
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大澤さんは、もちろん岡田さんのことは既にご存じだったわけですよね?
| 大澤 |
もちろんです!自分が高校生のころからSHERBET、THUMB、REACHやハイスタ(Hi-STANDARD)も聴いていたので、そのころから認識は・・・・させて頂いております・・・(笑)。
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年齢はどのくらい違うんですか?
| 大澤 |
僕は今年で27歳です。
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| 岡田 |
じゃあ10個違いってことになるね。でも、最初会った時は同い年くらいか、ちょっと上だろうと思ってたよ(笑)。
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| 大澤 |
実年齢を言った時の岡田さんの驚いた顔が、いまだに忘れられませんよ(笑)。
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お互いの第一印象はいかがでしたか?
| 岡田 |
27歳って知った時は、若いのにベテランバンド集めてすごいなと思いましたよ。その帽子とか髪型が、なんかそんな雰囲気をすでに醸し出していたね。
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| 大澤 |
僕は、最初はすごく恐い方なのかな、と思っていたんですけど、全くそんなことはなく「優しいお兄さん」でしたね。(笑)
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なるほど(笑)。そして、今回BLACK BUCKとしてI HATE SMOKE RECORDSからリリースという形となったのですが、そもそもBLACK BUCKが結成に至った経緯を教えて頂けますか?
| 岡田 |
もともとBEEFというバンドをやっていたんですけど、ちょっといろいろあってお休みすることになってしまって。でもやっぱり音楽をやりたい気持ちが強くて、バンドをやろうかと。そして恥ずかしい話なんですが、実はTHUMB以降、バンドをやる時には必ず羽沢くんに声をかけていました。まあ、羽沢くんからお断りされることが多かったんだけどね(笑)。でもそれが今回、ようやくタイミングが合ったという流れですかね。
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その"タイミング"が合って、結成に至った時期はどのくらいですか?
| 岡田 |
羽沢くんとやろうって決めてからドラムの問題とかいろいろあって、かなり時間がかかったので、いつかは思い出せないな・・・。3年くらいは経っていると思いますね。
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ではその"ドラム問題"に関してですが、今回BASSUIの渡部さんに白羽の矢がたった経緯を教えて頂けますか?
| 岡田 |
けっこういろいろなドラマーの人達とリハを行ってきたんですけど、なかなか合う人がいなくて。大澤くんや、対バンの子達にも「良いドラムいたら紹介してね」って話はしていましたね。そんな中、BASSUIと対バンする機会があって。ARATA(渡部)がやりたいような感じをみせてくれたので、それじゃお試しからやってみようか、という流れですね。
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渡部さんも年齢的はTHUMBをリアルタイムで聴いていた世代ですよね。岡田さん・羽沢さんと「バンドを組む」ってことに対して、感慨深かったのではないですかね?
| 岡田 |
だいたい最初にみんな言うのは「ビビる」ですかね(笑)。羽沢くんは人見知りが激しい方なんで、基本的に敬語なんですよ。それが余計ドキドキさせるんでしょうね(笑)。でもARATAは本当にTHUMBを聴きこんでくれていたみたいで、いろいろ思うところはあったみたいですね。ありがたいですよ。
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"BLACK BUCK"としての音楽的なコンセプトは渡部さん加入以来、話合ったりしましたか?
| 岡田 |
音楽的コンセプトというか、単純なイメージとして、「メタリックなギター」と「自己主張の強いドラマー」というのは僕の中にあって。ただ、メタル好きなギターと言っても人によって音も違うだろうし、いざメンバーが決まって出した音を基に、どうしていくかということだけですね。
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では今回、I HATE SMOKE RECORDSからリリースするにあたった経緯も教えて頂けますか?
| 岡田 |
僕的には、"棚ボタ"でしたね。最初は"とあるバンド"とスプリットを出す予定だったんですよ。リリースするレーベルはそのバンドに任せていたんですが、そのバンドも大澤くんと知り合いだったみたいで。その後、大澤くんと話しをした時に「スプリットだけではなく単独リリースもいかがですか?」と提案してきてくれたんだよね。でも結局、進行していく内にスプリットに少し問題があって、先に単独を出す流れになった、って感じかな。
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| 大澤 |
提案しておきながらなんですが、最初うちから出したいと仰って頂いた時は、ほんとうに冗談だと思いました。そのくらい嬉しかったですね。僕もTHUMBを聴いていた世代なので、不思議な感覚でした。
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| 岡田 |
僕はリリースさせてくれるだけでもありがたい立場だから、逆にこっちこそ素直に嬉しかったけどね。
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| 大澤 |
・・・はい(笑)。
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アルバムの青写真が出来上がったのはいつごろですか?
| 岡田 |
うーん。最後の曲が出来たときかな。
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| 一同 |
(笑)
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アルバム全体のコンセプトはありますか?
| 岡田 |
いや、無いですね。「無」です。ただ、今回迷ったのはメロコアを入れるか入れないか、かな。
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そこは何故迷ったんですか?
| 岡田 |
難しかったんですよね。例えば2曲目の「MY FOUNDATION」は僕の中では直球のメロディックなんですけど、そういう曲を作るのが難しかったんです。メロディックには何度も挑戦はしてるんだけども、それが"イケてる"のか"イケてない"のかを判断する時に、いつも"イケてない"になってしまうんですよね、結局。実は6曲目の「IN OUT」も制作が進んでいくうちにメロディックになったんです。最後の仕上げまでいったんですけど、結局僕の中で"イケてない"と判断して、最初に思い描いていたイメージのままになりましたね。
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その"イケてる"、"イケてない"の判断基準というのは具体的にどういうところになるんですか?
| 岡田 |
最終的な答えは、やっぱり"狙ったもの"は自分の中で納得させるのは難しいんだなというのは分かりましたね。なので、極力意識はしないようにした方がいい、というのは今回勉強になりました。
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今回のアルバムが出来上がって、大澤さんの印象はいかがでしたか?
| 大澤 |
「すごいのが出来たな」というのが素直な第一印象ですかね。あとは、「なんて器用なんだろう」とも思いましたね。
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| 岡田 |
いや、そんなことはないでしょ(笑)。
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| 大澤 |
制作段階の時に、いつまでに曲はこのくらいないとダメだよね、って話をしていたのですが、その期限までにキッチリとクオリティー高い作品が出来上がってくるので、改めて「やっぱりすごい人達なんだな」と思いましたよ。
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| 岡田 |
いや、まあ・・・ご迷惑をおかけしないようにね・・・(笑)
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大澤さんもご自身で「THE SENSATIONS」、「SEVENTEEN AGAIN」でバンド活動を行っていますが、同じバンドマンとして、今回の制作工程で何か勉強になったことはありますか?
| 大澤 |
まず段取りが良いですよね。あとは自分達の思い描くところまで、しっかりと持って行けるところは見習いたいですね。ほんと出来そうで、なかなか出来ない部分だと思います。
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そして、I HATE SMOKE RECORDSは今年で5周年目を迎えましたね。
| 大澤 |
最初は完全に自主で始めたんですが、気付いたらもう5周年なんですよね。11月にはDiSGUSTEENSもリリースするんですが、このような先輩方と今までやってこられて良かったと改めて思いますね。
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岡田さん的には、SHERBET / THUMB / SLIME BALLを観てきた若いバンドが出てくることに対してどのように感じていますか?
| 岡田 |
言うほど僕はあまり知らないんですよね・・・。ただ、"シーン"って言葉を使わせてもらうと、THUMBの時よりも広がったかは分からないけれど、絶えず動いているものだし、僕らがバンドをやってようがやめようが、バンドはどんどん生まれてくるものであって。カッコいいバンド・カッコ悪いバンド含めて一つの"シーン"だと思うから、僕的には正直、何とも思わないですね。当たり前に続くことだと思いますし。
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一つ下の世代のバンドに関しては、どのような特徴があると感じてますか?
| 岡田 |
そこに関しては、なかなかうまくは伝えられないですね。でも良いと思うんですよ。「好き」って言ってくれるファンの為にみんな頑張っているだろうし、そういう人達を一人でも多く増やそうと努力していると思うんです。それに対して否定的な言葉を投げてくる人もいて当然だと思うし。全く違う面白いものも生まれてくるだろうし、それでシーンが活性化すれば、それはそれでいいんじゃないかな。
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なるほど。世代の話で言うと、それこそ先日「AIR JAM」が11年振りに開催されました。岡田さんもTHUMBで98年の「AIR JAM」に参加されていましたが、今回はいかがでしたか?
| 岡田 |
僕は当日、ほとんどバックヤードにいたんですけど、もう"大同窓会"みたいな感じでしたね。みんな子供がいたり、誰だか分からないくらい体系が変化していたり(笑)、白髪が増えてたり・・・でしたね。98年に参加した当時は、僕はかなり年下の方だったのですけど、当時の年上の方達やレアな方達も含めて全員いましたね。
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ちなみに98年に参加された時の「AIR JAM」の印象はいかがでしたか?
| 岡田 |
正直、よくわからなかったですね。でも、よくわからないけど何かすごいな、って。やっぱり、あの人達の(Hi-STANDARD)人間力はほんとうに尊敬しますよ。11年振りに開催したにも関わらず、これだけ周りを興奮させられるってことはすごいことだと思うし、あの人達じゃないと出来ないことだと思いますね。
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大澤さんは当時の"シーン"はどのように見られていましたか?
| 大澤 |
やっぱり僕らも周りのバンドも同じ気持ちだと思うんですけど、「憧れ」でしたね。その一言につきます。自分でもバンドを始めて、何年かしていく内にいろいろと厳しさや現実も知りましたけどね(笑)。
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バンドを始めて音楽に関わってから、正直今まで続いていくと思っていましたか?
| 大澤 |
バンドは何かしらずっとやっていくだろうな、とは思っていましたけど、実際、音楽を"仕事"としているとは思っていなかったですね。ましてやレーベルは正直、お遊び感覚で始めたので、いま自分がディスクユニオンに入ってそのレーベルを運営しているとは想像もしていませんでしたね。
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では、I HATE SMOKE RECORDSの今後の展望を教えて頂けますか?
| 大澤 |
これからは新しく出てくるバンドを、どんどんピックアップしていきたいですね。ジャンル関係なく、自分が気に入ったバンドをリリースして、少しでも"シーン"の活性化に繋がればと思っています。
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大澤さんが参考にしているレーベルはありますか?
| 大澤 |
「SNUFFY SMILE」ですかね。現行で頑張っているバンド、流行り廃り関係なく、カッコいいバンドを追及し続ける姿勢が素晴らしいですね。海外のバンドも招聘して、国内でツアーも組んだりしているので、影響は受けますね。
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岡田さんもBLACK BUCKとしての今後の展望教えて頂けますか?
| 岡田 |
うーん。・・・「無」ですね(笑)。でも、「無」とは言っても変な意味ではなくて、狙っていることがないので、これが続いていけばいいかなと。単純に。
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では、プライベートな人生設定はありますか?
| 岡田 |
うーん。・・・「無」ですね(笑)。ただ、音楽が好きなんでしょうね。こんな年になっても音楽やってるし、いまだに毎日が勉強だし。レコーディングやっても、録り直したいこともまだあるし。"音楽"って、手っ取り早く頭の中で浮かんだものを形に出来る"遊び"というか、そういう作業が自分は好きなんだと思いますね。
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